皆様こんにちは、佐藤秀海です。
今回も拙著「よくわかる家相と間取り」(エクスナレッジ)の中から、皆さんに参考にしてほしい部分を紹介いたします。
「張り」は吉相、そして「欠け」は凶相
家相学上は、家の間取りだけではなく、家の構えも重要です。構えというのは、簡単に言うと家の形のこと。基本的にはできるだけ凸凹がない方がよく、シンプルな長方形などが理想的です。
家を器として考えると、形の悪い家は不安定ということになり、良い気が集まらないと考えられているのです。家相では、凸のことを「張り」、凹のことを「欠け」と呼びます。
基本的に張りは吉相ですが、欠けは凶相となります。張りとは、建物の一辺に対して三分の一までの出っ張りのことを指します。
一辺が12メートルなら、その三分の一の4メートルまでは吉相の張りです。ただし、4メートルを超えてしまうと凶相になってしまいます。
また、張りを設けてよいのは、一辺に対して一カ所だけなので、二つの出っ張りがある場合には、それだけで凶相になるということです。
また「欠け」とは、一辺の長さの三分の二以上の引っ込みのことを指します。自分で書いていてなんですが、こう書いてしまうとわかりにくいですよね。要するに、吉相の張り以外はすべて凶相の欠けになる。こう単純に覚えてください。
この欠けが一辺に対して二つあれば「二段欠け」、三つあるものを「三段欠け」と言い、欠けが増えるほど凶相の度合いが増していきます。
張りや欠けを考えるうえで、もっとも注意したい方位が、北東の表鬼門と南西の裏鬼門方位です。鬼門方位に欠けを設けてしまうのは、もちろん大凶相。金銭的なトラブルや対人関係のもめ事など起こさないためにも、小さな欠けも絶対に設けてはいけません。
また、鬼門方位には張りも設けることはできません。鬼門以外の方位では張りは吉相ですが、鬼門方位は違います。
鬼門は、張りも欠けも設けることができないと、しっかり理解してください。
この張りと欠けの判断はとても難しく、家相の専門家でもよく間違えるほどです。本格的な家相学には、「水局三合相」「木局三合相」「金局三合相」など、建物に合計三か所の張りを設けた特殊な構えの家相もあります。
間違った判断をしてしまうのでないかと不安な人は、専門家に相談するのが得策ですね。建物の構えは、大地に根を下ろした1階部分で判断をするので、2階以上には張りや欠けはありません。
ただし、1階よりも2階以上の部分がはねだしてしまうことは、立体的な欠けができると考えるので、これは凶相です。
1階の一部をビルトインガレージにするケースも見かけますが、これも凶相。玄関を建物の外周面から引っ込めてしまうのもだめですね。
玄関には床を貼らないたたきの部分があるので、小さな欠けでも凶意が大きくなってしまいます。
2階には張り・欠けがないので、バルコニーなど広めにデザインすることもできますし、予算の問題など、建物を小さくしなければならないときには、2階で調整することができます。
1階の大きさを変えると欠けてしまったり、建物の重心点がずれてしまうので大変ですが、2階の大きさを変えても、そんな心配がないので安心ですね。
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