家相とは

生暮

いまの住まいは、人工的な快適性を追求するあまり、
密閉された空間になりがちです。
外で雨が降っていることもわからず、風が部屋を抜けることもない。
そこにあるのは効率化のアップ。
方角や周辺環境は異なっても、すべてを画一的なレイアウト・仕様として、
住まいを簡易に造り上げようというものです。
家は工業製品ではありません。
それぞれの住まいには、それぞれの表情があるべきです。
自然とともに暮らしながら、より快適な毎日がおくれるような。
都市のなかでも、ビルの谷間でも、それは叶えることができる。
家相とは、人と自然が呼応しながら暮らすための学問であり、技術なのです。

では、自然の呼吸とは何でしょうか?

ひとつ重要なものに、大地からのエネルギーが挙げられます。
家相では、この大地からのエネルギーを大変重要視します。
玄関は、昔は土間でしたし、土間の台所も多く有りました。
当時はこの土間から大地のエネルギーを屋内に取り込むことができたのです。
今日の家では、ベタ基礎といって、コンクリートで地表を覆う工法が一般的です。
建築強度の観点からは合理的には見えますが、これでは、
人間が生きていく上で大切なエネルギーを得ることができません。
家相の知恵では、現代工法の良さを維持しつつ、台地のエネルギーを
上手に取り入れる方法を教えてくれます。

呼住

人は森のなかで、大きく呼吸をしたくなります。
きれいな空気をカラダいっぱいに取り込みたいと思い、自然の清々しさが
心地よい開放感を与えてくれる。
そこに作用しているのは、自然のチカラ。

では、家のなかではどうでしょう。

本当の意味でリラックスできる住まいは、間取りの広さや天井の高さから
生まれるものではありません。
自然のチカラを上手に取り込んだ家でこそ、質の高いゆとりは生まれるのです。
太陽の動き、風の流れ、水の走り、季節の移り変わり。
これらをきちんと考えてはじめて、いつまでも住んでいたい家が生まれる。
思わず深呼吸をしたくなるような、
そんな住まいを造るのも家相の仕事のひとつです。

それでは、自然のチカラと家相の関係について考えてみましょう。
家相における自然のチカラとは、気の流れと太陽からのエネルギーです。

例えば、鬼門(北東)に欠けが有ると、そこに落ち葉が溜まるように、
「気」が滞り、健康に悪い影響を与えます。
また、鬼門は朝、太陽が昇る方位であり、この時人間が活きていく上で
最も大切なエネルギーをもたらします。
家相の知恵は、この方位を不浄にせず、十分に気とエネルギーを「呼吸」
できる形を私たちに教えてくれるのです。

「家相」=「家想」

家作りには多くの制約があります。
土地の方角や大小、予算、間取りの自由度、周囲の環境など。
そのなかで、いかに快適な住まいを生むかということが「家相」の考えです。

「家相」は、「家想」。

「家想」=家を想うことは、住む”人”を想うこと。
そして大切なのは、”人”も自然の一部であるということ。
自然をシャットアウトして日々をおくるのではなく、自然のチカラを取り入れ
て暮らす。そんな喜びを「家相」は教えてくれます。
加速する現代の生活環境において、人は自然のチカラの重要性に気づきつつあります。
ライフスタイルが変わろうとしているいま、家づくりにも新たな観点を。